LD(学習障害)のある子どもにおすすめの習い事とは?

LD(学習障害)
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はじめに

子ども一人ひとりには、得意分野や苦手分野が異なります。中には学習面で個別のアプローチが必要な子どももいます。

学習障害(LD)とは
脳の機能の個別性により、読む、書く、計算する、推理するなどの能力に困難がある状態をいいます。LDのある子供は、一般的な学習方法とは異なるアプローチが必要な場合があります。

習い事を選ぶにあたり大切なのは、子供一人ひとりの個性を理解し尊重することです。そして、長所を伸ばしながら課題に対処できる適切な支援方法を見つけていくことです。

習い事を通して、楽しみながら自信をつけていけるような機会を作ることが大切です。 LDのある子ども一人ひとりの特性は異なるため、ここで紹介する習い事は参考例です。お子様の興味や特性を見ながら、検討していただければと思います。

①個人競技のスポーツ

運動は、体力向上や運動神経の発達を促すだけでなく、集中力や持続力、達成感を養うのにも適しています。特に個人種目のスポーツでは、自分のペースで取り組めるので、ストレスを感じにくく続けやすいでしょう。

水泳は、全身を使うので運動能力の向上が期待できます。リズミカルな動作も覚えやすいかもしれません。テニスは、ボールを追う動きがリズム感を養い、ラケットさばきの上手さを競えば達成感も得られます。陸上競技では、自分に合った種目を選べば、持続力や瞬発力、スピード感覚などを伸ばせるでしょう。

子どもへのアプローチ例

読字が困難な場合のアプローチとして、動画を活用した指導などの工夫ができます。繰り返し見られるようにすることで、スポーツのルールやコツの習得に役立てられるでしょう。

スポーツを通して身体を動かす喜びを感じ、自信がつけば、学習への前向きな姿勢にもつながっていくでしょう。子供一人ひとりの個性や得意分野を生かしながら、無理なく続けられる種目を見つけることが大切です。

②音楽

音楽は、リズム感や聴覚を活かして楽しむことのできる習い事です。

文字の読み書きや順序立てが苦手なお子様でも、音やリズムへの感受性は良好な場合が多いのです。ピアノやギター、リトミックなどを通して、新しい音やリズムに親しむことで、聴覚認知力を伸ばすことができます。

音楽が好きなお子様にとっては、音楽の習い事はもってこいの取り組みとなるでしょう。流行っている曲や好きな曲を習得することは、達成感にも繋がります。

楽譜が読みづらい場合は、カードや音源を使った習得方法もあります。音楽を五感で味わうことで、っやりがいや喜びを感じることができるでしょう。

より詳しいアプローチや、生徒の事例についての記事はこちら⬇️

音楽を学ぶことで期待できる影響・効果

カナダで行われた研究では、わずか20日間の音楽プログラムを行うだけでも、子どもの認知力向上に良い影響があることがわかっています。

音楽プログラムに参加した4〜6歳の幼児9割以上が、言語力や実行機能の伸びを見せたそうです。短期間の取り組みで、音楽が脳の発達を大きく後押しすることが明らかとなりました。

子供一人ひとりの可能性を最大限に伸ばすために、親子で音楽に親しむのも良いかもしれませんね。習い事を通して、お子さまの新たな一面が見えてくるかもしれません。

Moreno, S., Bialystok, E., Barac, R., Schellenberg, E., Cepeda, N., & Chau, T. (2011). Short-Term Music Training Enhances Verbal Intelligence and Executive Function. Psychological Science, 22, 1425 – 1433. https://doi.org/10.1177/0956797611416999.

料理・パン作り

料理やパン作りは、手順を覚えながら作業を進める力が身につく習い事です。一つひとつの行程を順を追って体で覚えていくことで、順序立ての力を養えます。

また、材料の匂いや食感、味わいなどを五感で感じ取ることで、総合的な感覚を研ぎ澄ますよい機会となります。嗅覚や味覚などを活用することで、作業に集中力を持続させやすくなります。

文字を読むことに課題がある場合でも、調理の手順をイラストで示したり、実際にお手本を見せながら指導することで、一人ひとりに合った支援ができます。

また、できあがった料理を食べる喜びから、達成感や自信がついていきます。五感を使った体験から、新しい発見や気づきも生まれるかもしれません。

このように、料理も得意分野を伸ばしながら、苦手分野への対処もできる習い事の一つです。楽しみながら無理なく続けられる活動を選び、可能性を最大限引き出すと良いでしょう。

その他、学習障害のあるお子様へ向けた学習塾についてはこちら⬇️

さいごに

ここまで、LDのある子供に適した習い事を紹介してきました。

これらの習い事は、子供の得意分野を伸ばしながら、苦手な部分への対処も期待できます。さまざまな経験や五感を通じて、集中力や達成感など総合的な能力が身につくでしょう。

大切なのは、子ども一人ひとりに合わせて、楽しみながら無理なく続けられる活動を選ぶことです。教室側との連携やコミュニケーションも、もちろん重要です。

子どもには得意不得意があり、特性は様々です。保護者の皆さまには、お子さまの特性を理解し、寄り添っていただきたいと思います。子供の可能性を信じて、ともに歩むことが大切です。

習い事を通じて新たな可能性に気づき、自信に繋がるはずです。お子さまの新しい一面を発見できる機会を作ってみてはいかがでしょうか。